東大情報理工 創造情報 院試について (2018年度 冬院試)

この度、2018年2月に行われた東京大学大学院 情報理工学系研究科 創造情報学専攻の冬院試を受験し、合格しました。
自分の院試勉強内容、試験当日の事、冬院試問題(公式には公開されない)の再現pdf、その他感想などを載せておきます。

自分の経歴としては、学部は東大の材料系学科出身、修士は物理系学科に進学しましたが、いろいろ考えた結果、専攻分野を変更し情報系に行くことにしました(決めたのは2017年の11月頃)。冬院試をやっている専攻を見てる中でおもしろそうなテーマやってるラボを見つけて最終的に創造情報を受けることにした、という感じです。ここまでの経歴の通り、院試勉強開始時点でCS分野の知識はゼロからのスタートでした。

参考書

他の院試合格ブログで紹介されているやつを適当に見て良さげなやつに決めました。
結局まともに読んだのは次の4冊でした。

だいたいこの順番で、1週間1冊ぐらいのペースで進めました。OSの本はプレミアがついてるっぽくて、院試直前だと中古で6000円以上とかの値がついてました。

院試の流れ

12/1から勉強開始、ここから1ヶ月間で参考書4冊を一通りと、過去問3年分ぐらい解きました。
12/13に出願
2/7~2/9に本試験
2/20に郵送で結果が届きました。入学手続き用書類が同封されたデカイ封筒が速達で届きます。冬院試は掲示板発表無しの郵送のみなので、この合格発表までの1~2週間はずっとそわそわしてました。先輩方のTwitterとか遡って確認すると、去年は全く同じタイミング(試験終了の次々週の火曜日)、2年前は試験終了の次週の土曜に結果届いたみたいです。

受験当日

受験者は53人でした。合格者は例年5人とからしい(?)ので、倍率は10倍以上ということになります。周り見渡すと8割ぐらいは留学生でした。Twitterで検索すると、夏院試落ちた東大情報系の学生(ISer)も数人いたっぽいです。ただ留学生の学力レベルというのが未知過ぎてよくわかんないですね。この高倍率でも合格ラインがそこまで高くないっぽいことを考えると、あんまり点数取れてなさそうですが。

筆記試験

普通でした ここ2年ぐらいは問題の選択が出来なくなってます。必然的に語句問題という運ゲーをやらされます。

プログラミング試験

午前はコード書く。パソコン部屋に放置して昼休憩。午後は1人づつ部屋に呼ばれて、教員の見てる横で指示されたとおりに実行する。

面接

1人あたり5分ぐらい
控室で待機して、順番が来たら別室に呼ばれます。教員10人ぐらいの前で座って質問に答えるスタイル。
第一志望ラボの先生からの質問、「当該分野について何か勉強などしていますか?その内容について説明してください」。ラボで出た論文読んでますって言って、その内容を1分ぐらいで話しました。
進行役の教授からの質問、「卒論などこれまで行って来た研究についておしえて」
以上でした。配属希望は第二志望まで書いていたのですがそちらからは質問されずでした。

2018年度冬院試の問題再現

冬院試の問題は公式サイトでは公開されていません。試験終わった直後に一通り内容メモしていたので、それに基づいてLaTeXで書き起こしました。だいぶ適当なので参考程度に
筆記試験
プログラミング試験 (prog5.txt, prog6.txt, prog7.txt)

点数開示

点数開示申請を行ったので、結果出たら公開します。
体感としては筆記7割、プログラミング7割かなという感じでした。

→ 合格発表直後に院試点数開示申請して、1ヶ月後に結果が届きました。
f:id:ut25252:20180323163522j:plain
平均点も合格最低点もわからず、自分の点数だけみても特になんとも言えないですね...
ただ、筆記プログラミング合わせて7割弱ということで、自分の体感値とそれほど大きなズレはありませんでした。

感想

筆記試験は、出題範囲が広い割に問題数が極端に少ない、ということで勉強量や実力が反映されにくい試験になってます。ただ最近は易化傾向で、何をさせたいのかわからないような問題も減って来ている気がします。
プログラミング試験は難化傾向にあると思います。過去問で一番むずかしいと思った2016年夏院試は、プログラミング3割でも受かっている人もいるらしいです。
studio-graph.hateblo.jp自分が出来ないやつは周りも出来てないんやろなあぐらいの気持ちでいきました。

いろいろ言ってきましたが、全体的に運ゲー要素が大きいということに尽きます。出題内容、受験者のレベル、合格者人数、合格基準などが不明瞭なまま、これからの生活を左右する高倍率試験を受けさせられるのはキツいです。ここ一本で受けるより情報学環とか併願してればよかったなと思いました。


参考サイトまとめ

http://d.hatena.ne.jp/ma3tk/20110308/1299522668
(2011夏落ち冬合格)
頑張ったのは1月~
比率は英:数:専=120:120:240 ?
プログラミングは普通にやってれば半分くらい取れる
アルゴリズム関係、ハードウェア関係、機械関係(詳しく知らない)、語彙説明の4題で、1問も解けないようなことはない
計480点中の55%~60%がボーダーと言われている

東京大学大学院 情報理工学系研究科に合格したようです - きたくち (他大出身)
(2015米大学院落ち冬合格)
応用情報を取ったのが5年くらい前、
冬入試で受かった人は4名程度
筆記ほぼ無勉、感覚的に5割程度、6割はまず取れてないだろうなーという出来
専門簡単すぎ Pyhtonでやった
1週間後くらいに結果が届いて、電話で配属先の研究室を確認するという流れ
得点開示したところ筆記・プログラミング共に6割強くらいでした。案外悪くなかったですね、謎採点だ。

創造情報学専攻を受けた話 - ehlfin’s blog (学内出身、計数かな)
(2016夏は数理情報学落ち、2017冬合格)
夏の数理情報の点数開示
TOEFL(ITP) : 597/677 共通科目(数学):137/300 専門科目(数理情報学):132/300

今年の冬入試の創造の受験者は45人、合格者は10人未満程度なのではないかと思う
TOEFL(iBT):89/120 共通科目(プログラミング):123/200 専門科目(創造情報学):210/300
プログラミング:標準入出力,ファイル操作,正規表現などをきちんとスムーズにこなせるように
実際の試験場では自分のPCとマニュアル1冊を持ち込める.ネットに繋がなければ何をしてもいいので,事前にpythonの標準入出力をまとめたQiitaと各種アルゴリズムのコードをまとめたサイトをwgetしておいた
口頭試問 「これを入力にして動かして」と言われるので入力して動かす.試験官はどうやら出力を見て正しいかどうか判定しているようだ 単に結果しか見ていないようだった
専門科目
出題範囲が異常に広い.これだけはやっておいたほうがいいと思われる分野を列挙しておく.
アルゴリズム、統計と機械学習の用語、論理回路オペレーティングシステム、コンピュータアーキテクチャ、インターネット通信(TCP/IPとか)、コンピュータグラフィックスの用語

東京大学大学院 情報理工学系研究科に合格して入学しました - タイトルって難しい。 (他大、半分情報系半分数理系の学科?)
(2014年8月と2015年2月に受験)
勉強期間は、夏入試も冬入試も10日〜14日くらい
某大学新聞に結果が載っていました。私の専攻は、64人(うち、15人内部生)受験、34人(うち、11人内部生)合格
Python3で解きました
学府→電情&CS→創造の順で解いていくと自然とできるようになるかと。

創造情報学専攻(電子情報学専攻)の対策 - とんとんの院試ブログ (学内かな?)
(2014夏、電情の問題を選択で合格)
創造は知っていれば簡単だが、範囲が広くてどこから出るか分かりづらい

電気・情報系院試の対策本まとめ、とくに東大情報理工創造情報 東北大情報科学 電通大ISむけ - ikegamのsuper seriousでsuper awesomeな勉強日記 (電気電子系出身)
大事な本はこれだけです。500ページくらいのもんでしょう。これならその木になれば二日くらいで一周できるはずです
”IT Text 離散数学”、”データ構造とアルゴリズム (新・情報 通信システム工学)”、”コンピュータアーキテクチャ (電子情報通信レクチャーシリーズ)”、”論理回路入門”ですべてです。

情報理工学系研究科 創造情報学専攻の院試対策と参考書のまとめ : 東京大学大学院 院試対策と参考書まとめ (出身)
応用情報技術者試験合格程度の知識
定員:夏入試>>>>冬入試
語彙説明対策
アルゴリズム・システムアーキテクチャ情報理論離散数学>>プログラミング用語>暗号理論>人工知能・ロボット・CG>>データベース・ネットワーク
アルゴリズム→問1対策だけで良い
システムアーキテクチャ→問2の対策だけで良い
CG、ロボット→問3対策だけで良い
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勉強手順
wikiを見て軽く理解する→4~8行で説明出来るか確認する→出来たら次の言葉へ、出来なかったらwikiを読み直す
この繰り返しで語彙を増やすことができます。また、説明の際に図を書くと高い点数がもらえる傾向にあるそうなので、意識して勉強するといいかもしれません